震える舌(1980/日本)

おこんばんわ、クロスメディア課の髙橋です。

 

 

本日は、1980年公開「震える舌」について投稿したいと思います。

 

 

「震える舌」とは?

小説家・三木卓が1975年に発表した小説を原作に、渡瀬恒彦、十朱幸代など錚々たる名優をキャストに据えた、破傷風菌に感染してしまった少女とその両親の闘いを描いた作品です。

 

 

あらすじ

東京郊外に住むしあわせな三人家族。ひとり娘の昌子はある日、泥の中で蝶を追っていた。珍しい蝶を取り逃がしてしまった昌子は不思議な夢を見る。その話を聞いて嫌な予感がする父の昭(渡瀬恒彦)。数日後、妻の邦江(十朱幸代)は娘の異常に気づく。昌子が食事中に食べ物をこぼし、後ろ姿も妙な歩き方になっているのだ。突然、絶叫しながら倒れこむ昌子!歯に舌がはさまり、もがきながら顎はけいれんして動かない。病院へ運ばれながらも目を覆うばかりの発作が続く。運び込まれた昌子を診察した医師たちが驚きの声を上げる。「テタナスだ!」。昌子の幼い体には“悪魔”が棲みついている。しかしこれはまだ、この家族が巻きこまれた地獄絵図の入り口に過ぎなかったのである。

(引用元:松竹DVD倶楽部)

 

 

予告動画

 

 

感想

原作者である三木卓の娘さんが実際に破傷風菌に感染したときのことをモチーフにしているだけあり、どんどん憔悴していく少女と両親の姿がとても生々しく、見ているこっちまで息苦しくなっていくほど凄まじい力をもった作品でした。

 

見た後はトラウマ必至!という文言をこの映画のレビューではよく目にするのですが、今となってはそう言いたくなる気持ちが痛いほど分かるといいますか…。

悪夢のような心理描写、可愛らしい雰囲気から一変して病によって悪魔のように変貌する少女、後先が分からずただただ娘の傍にいて祈ることしかできない両親…。

子供の頃に見たら少女の様子に恐怖し、少女と同じ齢の子がいても不思議ではない年齢になった今見たら、両親に感情移入してどうすることもできない絶望的な状況に一緒に恐怖するという、見る年齢によってこの作品に対して感じる恐怖心は変わってくるなと感じました。

 

 

なんでこんな徹底してホラー的に仕上げるんだ??って思ったら、あの「八つ墓村」を監督した野村芳太郎がこの作品でも監督しているんですね。

どおりで怖いわけだよ…。役者の鬼気迫る表情とか八つ墓村でも見たもん…。村人を襲う鬼の形相の山崎努と、憔悴しきって別人のようになっていく渡瀬恒彦と十朱幸代が重なるわ…。

 

 

私はトラウマになるほどではなかったのですが、それでももう一度見たいかというと「もう結構です!」というぐらいには精神的にクる作品ですので、心に余裕があるときに視聴することをおススメいたします。

でもただ怖いだけではなく、予防接種がいかに大事か、病気って本当はめちゃくちゃ怖いんだなという、当たり前のことを強く実感する作品でもあるので、コロナ禍でワクチン接種がどうのこうのの今、一番見るべき作品なのではないかなと思います。

 

 

休息となる癒しの場面は、冒頭の渡瀬恒彦と十朱幸代のほんわかイチャイチャシーンと、物語のクライマックスだけなので、本当に心に余裕のあるときだけこの作品を視聴しましょう。

 

 

DVD、HuluやNetflixなど各種配信サービスで視聴可能です。

 

 

 

 

今はどの映画も綺麗になりすぎて、怖さよりも美しさに見惚れてしまうことがありますが、ホラーはやっぱり昭和の粗っぽい映像がよく合います。

昭和じゃなくても、1990年代のホラーとか、デジタルの発達が今ほどではないときのホラーは良作が多い。呪怨とかリングとか…。

綺麗な映像で見るホラーも、それはそれで悪くはないんですけどね!美しいのは悪いことじゃない!

 

 

 

 

それではまた明日~!

 

 

 

 

(今日のアイキャッチ画像は、どっかの海で見た夕日です。映画でも夕焼けとか水辺が出てくるので…)

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