製造にかかわる人にとって「稼働率」は100%を目指してはいけないが「可動率」は100%を目指さなければいけない

1年前くらいから製造の数値実績をよく見るようになりました。ウィザップの生産に関わる人のほとんどが作業日報というものでどんな仕事をしたのか記録するようになっています。すべてブラウザ上で記録できるイントラネットシステムになっているのでデータ化されていて集計も簡単にできます。

今まではあまり活用しているように感じていなかったのですが、現状を数値から客観的に見ることができる貴重な資料だと思い活用し始めました。

 

作業日報で記録したデータを集計した数値を実際に見ることができる作業レポートは「作業効率」「標準工数」「間接時間」など様々な指標が使われています。どれも貴重な数字であとはこれらをどう活かすかという事。

そこで気になっているのが「カドウリツ」です。

「カドウリツ」には漢字が違う異なる意味合いのものが大きく2つあります。

 

「稼働率」と「可動率」です。

  • 稼働率=生産実績数(機械稼働時間)/24時間で生産できる数(24時間)
  • 可動率=生産実績数(機械稼働の実績時間)/生産計画数(機械稼働の予定時間)

トヨタ生産方式のキーワード解説記事 「カドウ率」は稼働率と可動率に分けて考える – ものづくり.comより引用

私は「稼働率」を生産設備基準ではなく、人で例えるなら、

 

稼働率 = 実務時間 ÷ 勤務時間(8時間)

 

と定義します。

会社にいる時間は自分の部署の仕事以外にも会社での改善活動や兼務している雑務等の仕事があると思います。残業は考えないとして、勤務時間である8時間を常に生産の時間に充てているわけではありません。なので、「稼働率」は100%を目指してはいけないと思っています。似たようなことを言っているのが以下のリンク先です。

 

稼働率100%をねらってはいけない : タイム・コンサルタントの日誌から

 

リンク先は仕事量に対して生産のための機会が多すぎるから、稼働率100%になるように機械を手放してランニングコストを下げるといった事例。しかし、時間的余裕が無くなるとかえって効率が落ちていきます。結果的に会社としてマイナスに。

人のことを考えても余裕がなさ過ぎて消耗してしまうでしょう。マシンのように人を扱うのであれば100%を目指すのでしょうけど・・・。

 

また、「可動率」は生産計画数にかかる時間に対して、生産計画数を生産するのにかかった実際の時間の割合です。つまり、これが「生産性」の指標になります。ウィザップでは「作業効率」と呼んでいるのが「可動率」に当たると思います。各社で呼び名は違うかもしれませんね。以下のリンクで可動率の重要性を説明しています。

 

トヨタ生産方式のキーワード解説記事 「カドウ率」は稼働率と可動率に分けて考える – ものづくり.com

 

よって、可動率は100%を目指さなければなりません。予定している計画時間に対して予定通りの時間で生産できなければ納期遅延が発生し、お客様に迷惑をかけることになるからです。そもそもそのためには生産計画時間を正確に割り出さなければいけません。また、100%を達成したらこの計画時間をもっと短くしていくことで時間当たりの生産数を増やし、生産性向上につなげていくように見直すことも必要です。

 

今まで何となく見てきた数字も少し勉強すると見え方が違ってきます。今はどこを改善すべきなのかしっかり分析して目標建てしていこうと思います。

 

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