Power of Inkjet Session 2017

こんにちは。株式会社ウィザップ小池商店、小池です。

 

富士フィルムデジタルプレス株式会社主催Ppwer of Inkjet Session 2017に行きました。

場所は、富士フィルム西麻布本社でした。

 

デカいですね。

様々な富士フィルムグループ会社のオフィスも入っているようです。

六本木駅と表参道駅、渋谷駅の間に立地していますが、どの駅からも徒歩15分~20分なので少し遠いですね^^;

歩いている途中に東京ミッドタウンにも本社がありましたが、すぐ近くに本社が2つある意味とは・・・?

 

話はそれましたが、1階の劇場のようなホールでセミナーを聴いてきました。

200人超の座席数だったようですが、満員でしたね。

印刷業界のインクジェットへの注目度の高さが伺えました。

 

セミナー内容

4部構成でした。

 

 

第1部 富士フィルムのデジタルプレストータルソリューション

簡単に言うと、富士フィルムのインクジェットの説明と、これからデジタル印刷にどれだけ移行するのかという市場動向の現状と予測を説明してくれました。

まぁそうだよね!という内容です。

 

 

第2部 Primefire 106がもたらすパッケージ印刷の変革とPrimefire 106の最新情報

こちらもハイデルベルグのインクジェットの説明です。

Primefire 106は7色まで対応できるインクジェットデジタル印刷機です。

売りは以下のような感じです

 

・7色印刷によって再現できる色域がオフセットの4色印刷よりも広いため、パントーンの95%が再現できる

・1枚からでも安定した高品質で生産できる

・B1サイズ対応

・もちろんバリアブル対応

・パッケージ印刷に特化

・既存のオフセット印刷機XL106をベースに開発しているので、高い信頼性を確保

 

と、いろいろありますが、私が感じたもうちょっと...という点は以下のような感じ。

 

・毎時2500枚印刷は遅い(最終的には毎時4000枚を目標にしている)

・機械自体が高価

・紙厚が0.2mm~の対応で薄紙は対応していない

 

パッケージに特化しているのでスペック上、薄紙に対応していないのはしょうがないですね。

今のところ、弊社向きの印刷機ではないです。

Primefire 106は現在βテスト(実際に印刷会社で導入、テスト運用)を経て、年末から来年にかけてヨーロッパ、アメリカを中心に予約された会社に納品していき、日本で実機を見れるのはまだ先の話のようです。

 

 

第3部 End to Endワークフローがもたらす印刷の変革 -SmartからSmileへ-

今回一番面白かった内容がこちらです。

インクジェットのみを焦点にお話しするのではなく、マーケットの傾向を踏まえてインクジェットをはじめとするデジタル印刷を用いた様々なビジネスモデルの事例を紹介しました。

内容を説明するのは難しいですが、何が言いたいかというと、

インクジェットデジタル印刷機は単純に商業印刷、パッケージ印刷の既存の機械と置き換えて運用するだけでは儲けが出ない

ということです。

 

インクジェットにはインクジェットの良さがあり、インクジェットを活かしたビジネスモデルを構築しなければ導入効果は薄い。

もちろん、既存のジョブをオフセットからインクジェットに移行して利益を出すこともできなくはないようですが、それだけでは設備を導入する意味合いがほとんどない。

 

仕事があるから設備「導入」するのではなく、仕事を取れる仕組作りの一環てして設備「投資」することがこれからは求められます。

 

 

第4部 Jet Press 720sの商業印刷での活用事例とその効果について

第4部では新潟の第一印刷所で富士フィルムのデジタルインクジェット印刷機「Jet Press 720s」を導入した結果、事例の紹介でした。

 

Jet Press 720S : 主な仕様 | 富士フイルム

 

冒頭10分くらいが結構細かい自社の紹介でしたけど。

 

導入する時点から、商業印刷でのオフセット印刷機のジョブをJet Pressで置き換えてこなすというのは、トータルでみるとコストがかかりすぎて最初から採算が合わないという結論んが出ていたようです。

それでも導入に踏み切ったわけですが、Jet Pressでこなすジョブ自体はオフセットに比べてコストがかかってしまうが間接的に様々な効果が得られたようです。

 

・効率が上がり、印刷オペレーターの有給消化率が上がった

・1000部以下のジョブをJet Pressでこなすことで、オフセット印刷機の1ジョブ当たりの平均ロットが向上した

・予備紙が減った

・刷版レスなため原材料費が減り、粗利率が上がった

 

当たり前のことかもしれないですけど、この辺の効果が数値としてはあがってきているようです。

やはり、この機械独自の特徴を活かして、どのようなコンテンツ、システムで仕事を集めるのかというところが重要になってきますね。

 

 

まとめ

印刷物は減っていく一方なので、効率化・高品質化・低コスト化だけではこの先印刷会社としてはやっていけないでしょうと、常々言われています。

ではどうしたらいいかというと、その会社独自のコンテンツ、仕組みを作ってその中で印刷物も絡ませるというのが生き残りの道ですね。

ということは、設備投資に至っては、今までのジョブを効率化・高品質化・低コスト化できるものを導入するというだけではよくないということです。

何事もコンテンツ・仕組み・戦略を練っての設備投資がますます重要になってきています。

そのためには、社内にいるだけでなくもっと外に出ていろんな人の話を聞いたり、関係性を深めたりすることが必要だと思いました。

これからは頻繁に東京に行けるわけではないですが、展示会やセミナー、他社見学など積極的に行くことにします。

 

 

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