リオオリンピックも最終盤に突入。
今朝は5:30からブラジルオリンピック代表VSドイツオリンピック代表の対戦を観戦。
そう。
ブラジルとドイツ。
思い出すのは2年前。ワールドカップブラジル大会で起きた「ミネイロンの悲劇」
最強メンバーを揃え母国開催で優勝を至上命題とされたブラジルは順調に勝ち進み、準決勝のドイツ戦。
スコアは1-7での敗戦。相手はこの大会で優勝したドイツ代表。ネイマールをケガで欠いていたとはいえ、ホームで、恐るべき大歓声を味方につけていたブラジルに訪れた悲劇は記憶に新しく、このオリンピックの決勝戦の組み合わせが決まった時にもこのミネイロンの悲劇がフラッシュバックする人も多かったと思います。
今回のオリンピックブラジル代表は金メダルを狙うメンバー。
その中心であり、キャプテンがFCバルセロナ所属のネイマールです。オーバーエイジ枠として招集され、オリンピック前にあったコパアメリカを辞退してまで母国開催での金メダルを狙いにいったブラジル代表の本気度がここで分かります。オリンピックは23歳以下の選手が基本となり、各国に3人だけオーバーエイジ(23歳以上の選手)という枠が用意されています。ネイマールの他にパリサンジェルマンのマルキーニョス、そしてキーパーのウェベルトンを招集していました。
そんな全国民の期待を背負ったブラジル代表もグループリーグでは苦戦します。初戦の南アフリカ戦、そして二戦目のイラク戦、自慢の攻撃力が沈黙。0-0の二引き分けでまさかのグループリーグ敗退という文字も出てくるような内容。しかし心配された3戦目のデンマーク戦でようやく攻撃陣が爆発し4-0の勝利、そして1位通過で決勝トーナメントへ進みます。
準々決勝はコロンビア、この試合も危なげなく2-0の勝利、続く準決勝のホンジュラス戦は圧巻の6-0の勝利。尻上がりに調子を上げていくブラジル代表。
そして運命のドイツ戦。
一進一退の攻防、実力は互角のように思えました。ドイツ守備陣もとても集中していたし、最後にきちんと足が出る。プレッシャーも早い、手を抜いている選手はいません。ブラジル代表も高い集中力でとてもレベルの高い良い試合でした。
ネイマールの美しいフリーキックで先制したブラジルでしたが、後半にこれまた美しいマイヤーのダイレクトシュートで同点に追いつかれ、延長でも決着が付かずPK戦へ。
PK戦でもブラジル・ドイツ両選手が集中し、よくこんなプレッシャーの中で皆落ち着いて決められるな~ってくらい失敗しない。
でもここから描かれたかのようなドラマが。ドイツの5人目ペーターセンのキックをウェベルトンがセーブ、そして最終キッカーはもちろんネイマール。
金メダルという至上命題を課されたキャプテンに神様がくれたビッグチャンス。そしてその何倍ものプレッシャー。決めれば「英雄」、外せば永遠にブラジルでは「愚か者」として名を刻むことになったでしょう。
そしてボールをセットし、ワンフェイントを入れてキーパーの逆を突く。
決めた瞬間感極まるネイマール。
その姿を見ただけでプレッシャーのハンパなさを思い知る。
歓喜というよりも安堵
そんな表情に見えました。
まずはお膳立てをしてくれたGKウェベルントンと抱擁、そしてその二人に重なっていく若きカナリア軍団。
そして歓喜するマラカナンスタジアムを埋めた、たくさんのブラジルサポーター。
全てが一つになるってこういう瞬間なんだろうなって思いました。とにかく鳥肌がたって静まらなかった。
若きブラジル代表をまとめ上げ、今大会もっとも自国を沸かせた選手としてネイマールは英雄になったと思います。
おめでとうブラジル代表!ありがとうブラジル代表!