【曲紹介・解釈・解説……等々】スピッツ / ヒビスクス

どうも、新人営業ぬまじり(3年目)です。カラオケ行きたい。カラオケ行きたい僕は今すぐ君に会いたい。

 

今回紹介するのは「ヒビスクス」という曲です。アルバム「醒めない」に収録されていて、このアルバムの中では個人的に一番好きな曲です。

 

 

あとは、スバル「フォレスター」のCMソングにも使用されていました。正式に発表される前にCMが放送されていたので、初めて聞いたときは「……ん? 新曲だ!」となったのを覚えています。

 

聞きなれないタイトルの「ヒビスクス」ですが、これは「ハイビスカス(Hibiscus)」のラテン語読みだそうです。ハイビスカスを思い浮かべると、連想されるのはやはり南国。明るいイメージのある花ですが、その花の名をタイトルに冠したこの曲は、例によって明るい曲! ではありません。

 

ピアノコードの音色と、さらりとした草野さんの歌声から、静かに冷ややかに曲が始まります。この曲はサビへの展開の仕方が特徴的なんですよね。一気に盛り上がりつつもスルッと入る感じ。

 

ピンと張ったような静けさを維持したままAメロBメロと続き、サビにかけて流れるように一気にエネルギーが解放されていく印象で、頭の中にぶわっとイメージが広がります。個人的には夜空を疾走していくような、それで星がどんどん後ろへ流れていくようなイメージです。

 

過ちだったのか あいつを裏切った

書き直せない思い出

幼さ言い訳に 泣きながら空飛んで

クジラの群れ小さく見える

後ろめたいままの心が憧れた

約束の島で 再び白い花が

咲いた変わらずに 優しく微笑むような

なまぬるい風 しゃがれ声で囁く

「恐れるな 大丈夫 もう恐れるな」

武器も全部捨てて一人 着地した

 

よく言われている解釈だと、この曲は「特攻隊の歌」ではないかということです。「空飛んで」「武器も全部捨てて一人着地した」という歌詞と、「ヒビスクス」というタイトルから、そのような解釈に繋がっています。折角なので、今回はそれとは少し別の方向で考えてみたいと思います。

 

悲しみかき混ぜて それでも引きずった 忘れられない手のひら

 

戻らない 僕はもう戻らない

時巡って違うモンスターになれるなら

 

2番の歌詞の一部です。先ほどあげた1番の歌詞と合わせて見ると、主人公は何か深い後悔を背負っていることが分かります。そして感じるのが、やはりそこはかとない死のかほり。「時巡って~」という一節からはなんとなく輪廻転生を想起させられますし。

 

ではこの歌は「後悔に苛まれて自殺した男の歌」なのか……? と思いますが、個人的には逆の歌ではないかと感じました。

 

それを強く感じさせたのが、一番サビ、それと曲のラスサビの「武器も全部捨てて一人着地した」というセンテンスです。この部分を見るに、男は何かを放棄して、現実世界に帰って来たのではないかと思うわけです。

 

武器とは、基本的には他者を攻撃するためのものになります。それを捨てるということは、他者を傷つけることを放棄するということ。なのでこの歌は、「尖りまくっていた過去の自分を捨てる歌」なのではないかと思いました。

 

なので「戻らない僕はもう~」という一節は、特定の場所を指すのではなく、過去の自分を指しているのではないでしょうか。時間がかかったとしても、違った自分になることができるならば、僕はもう昔の自分には戻らない、という決意です。

 

ところで、サビに出てくる「白い花」というのは何なのか。曲名からすればこれは「ハイビスカス」なのでしょうけど、ハイビスカスって赤色のイメージあるな~と思って調べてみたら、珍しい部類ではありますが、真っ白なハイビスカスもあるみたいですね。ちなみに花言葉は「艶美」。ちょっと曲とは繋がってこないかな。

 

なんでよくイメージされる赤いハイビスカスではなく、白いハイビスカスを歌詞に盛り込んだのか……と考えると、「赤い花が咲いた」だと、死に近づきすぎてしまうから……かな。無理矢理に近いですが。

 

この歌詞の流れで「赤い花」だと「彼岸花」を連想させられてもおかしくないですし、それを避ける意味でも、今回は赤ではなく白いハイビスカスを用いたのかなと。

 

まあ、いつも通り「分かるようで分からない!」という曲なので、人によって色々な解釈が出てくることと思います。これはあくまでも僕個人の解釈ってことで、ひとつよろしく。

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