【曲紹介・解説・解釈……等々】スピッツ / まがった僕のしっぽ

どうも、新人営業ぬまじり(3年目)です。今回紹介する曲はスピッツの「まがった僕のしっぽ」。最新アルバム「見っけ」に収録されている曲で、僕がこのアルバム中で一番気に入っている曲です。

 

 

また今までにない雰囲気の曲だな~、というのが最初の印象。冒頭から鳴るフルートの音色、そして3拍子のリズム。どことなく異国の香りがする曲です。中世ヨーロッパ風の世界を舞台としたゲームやマンガをイメージさせられます。

 

それだけでも新しいな~カッコいいな~と思っていたのですが、この曲の真骨頂は2番サビ後から。それまでの物語風曲調から一気に変わり、テンポの速いハードなロック調に変わります。ここを初めて聞いた時は衝撃でしたね。1つの曲の中でここまでがらりと印象を変えてくるというのは、これまでのスピッツには無かった試みだったと思います。

 

最後までその激しい曲調でいかないところもまたいいんですよね。最初のテーマに戻ってきて、それで曲が締めくくれるんですが、それがより一層この曲の物語性を高めている気がします。エピローグ的な感じ。この4拍子から3拍子に帰ってくる瞬間は超痺れます。

 

歌詞を見ていきたいと思います。

 

大陸のすみっこにある街は 全て初めてなのに

子供の頃に嗅いだ 甘い匂いがくすぐる

 

冒頭の歌詞です。個人的にこの「まがった僕のしっぽ」という曲は、スピッツがひいては音楽活動に生きる自分たちの生きざまを叫んでいる歌だと思っています。

 

この「大陸」というワードを見てスピッツファンが思い出すのは「ロック大陸」というワードです。これは、改めてロックへの思いを歌った「醒めない」という曲に出てきた言葉で、現在草野さんがパーソナリティを務めているラジオのタイトルにも用いられています。

 

一語目にこの言葉を持ってきたことと、後半の歌詞を鑑みて、僕は前述の印象を抱きました。

 

しかめ面の男が ここに留まれと諭す

だけどまがった僕の しっぽが本音語るんだ

旅することでやっとこさ 自分になれる

うち捨てられた船に つぎはぎした帆を立てて

今岸を離れていくよ

 

現在の日本音楽界において確固たる地位を築いているスピッツですが、それに甘んじて、今いるところに留まっていたくはない。そしたら、自分たちは自分たちじゃなくなってしまう! という思いが感じられます。

 

タイトルにもある「まがった僕のしっぽ」とは、少し捻くれた自分たちの魂を表現しているのだと思います。

 

波は荒くても この先を知りたいのさ

たわけもんと呼ばれた 魂で濃いでいくのさ

例えどんな形でも 想像しなかった色でも

この胸で受け止めたいし 歓喜で咆えてみたい

 

前述した曲調が一気に激しくなる箇所の歌詞になります。曲調と合わさり、荒れ狂う大海のなか、ボロボロの小舟にしがみついて何とか前に進もうとする猫の姿が浮かんできます(この曲の主人公はなんだか猫の姿で想像しちゃいがちです)

 

暖かい寝床を経ても、捻くれた自分の本音に従ってまだ見ぬ地へ繰り出していく。自分たちはそうやって生きていきたいし、生きていくし、そんな自分を誇りに思っている。そんな叫びを感じさせられる一曲でした。

 

発売前に公開されたタイトル一覧を見た時、「なんやこの曲名は? ネタ曲か?」と思いましたが、蓋を開けたらこのカッコよさ。こんな可愛らしいおふざけを感じる曲名で、こんなイカした曲を作るところがまた憎いところ。「醒めない」における「子グマ! 子グマ!」と同じことをやられました。この曲も、タイトルこそふざけてますが凄くカッコイイ曲です。

 

これからのスピッツを見ていくのがまた楽しみになった一曲でした。

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