【読書感想】三崎亜紀 / チェーン・ピープル

どうも、新人営業ぬまじり(2年目)です。たまに外出をした際、時間を潰すために僕が立ち寄るのは大抵書店なのですが、暇つぶしのために入ったのにいつの間にか本を購入していることがあります。今回紹介する本も、適当に棚を眺めて帰るか~と言いながら手に取ってレジまで持って行った本になります。

 

 

三崎亜紀さんで「チェーン・ピープル」です。裏表紙にあるあらすじを読んで「面白そうだな」と思って購入しました。そのあらすじがこちら。

 

 

本文をめくらずにこれだけ読んでいたので、僕は最初この本をミステリ小説だと思って購入しましたが、蓋を開けてみたらそれとは少し毛色の違う話でしたね。当初の期待と違ったと言えば違いましたが、これはこれで中々に面白い本だったので結果オーライです。これもまた一興よ。

 

前6篇の短編からなる一冊です。それぞれの話は基本的に独立していますが、語り部は共通する一人の人間なので、同じ世界の6つの話という感じでしょうか。どの話も、設定こそ少し特殊な感じ(世にも奇妙な物語ちっくな印象です)でしたが、人間の本質にある暗部を描いているという点では共通していました。

 

人間本来の闇というよりは、社会生活を送る上での人間、大衆の持つ負の側面という感じですかね。特に「正義の味方」「応援」で描かれた、「大衆」と名の付く匿名の一般人たちに対しては嫌悪感を抱かせられてしまいました。僕自身もこの「大衆」という皮を好きに被ったり脱いだりしているということを忘れて。

 

SNS、もう少し遡って2ちゃんねるなどの匿名掲示板では、名の知られた人物への誹謗中傷が毎日書き込まれています。他人事ではなく、僕自身も、僕のTwitter上でたまに横浜選手への愚痴をこぼしたりしています。当然僕自身の名前も個人情報も出してはいません。

 

控えめに言っても僕は性根がチキンなので、面と向かってそういう文句や苦言を呈することは100%できません。ですが、匿名の大衆という着ぐるみを被った瞬間、いとも簡単にその行為を行うことができてしまいます。僕は真人間ではありませんが、悪人ではないと自負しています。「大衆」を形作る多くの人もそうだと思います。

 

その辺を道を歩いている普通の人が、何故「大衆」の皮を被った瞬間にそういう行為に出てしまうのでしょうか。数が多いからでしょうか。こちらは向こうを知っているけど、向こうはこちらを知らないという心理的優位性でしょうか。うーん、浅い考えながらも、一丁前に少し考えてしまいました。

 

僕のように脳みその足りていない人間にも考えようという意思を与えてくれる。そういう意味でこの本はいい本なのではないかと思いました。「大衆」のもつ残酷な一面を忘れないようにしたいと思います。

 

 

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