【曲紹介・解釈・解説……等々】スピッツ / ありがとさん

どうも、新人営業ぬまじり(2年目)です。最近営業車にダイソーBluetoothスピーカーを導入したので、仕事で運転中にも音楽を聞けるようになりました。何を聞いているかって? わざわざ答えるまでもないんだよなあ!

 

というワケで今日は先月発売したスピッツのニューアルバム「見っけ」よりこちらの一曲をご紹介。

 

 

アルバム中3番目の曲、「ありがとさん」です。この曲はMV付きで、アルバム発売に先駆けて公開されていた曲でもあります。狭い一室で演奏をするだけというシンプルな映像です。

 

ゴリゴリと鳴るベースが印象的なバンドサウンドと、その頭上で輝くように鳴る鍵盤の音が印象的なイントロとアウトロです。カッコいいし、胸にズシンと来るんだけれど、どこか懐かしくて、優しいサウンド。近年のスピッツを聞いているとよく抱くイメージが、この曲にも宿っています。

 

まずタイトルがいいなあと思いました。「ありがとう」というタイトルの曲は沢山ありますが、その言葉って少し重い気もするし、何より気恥ずかしいから、中々口に出して言えないワードです。特に距離が近くなればなるほど言いにくくなる。

 

そこで登場するのが、「ありがとう」をちょっとだけくだけた感じにした「ありがとさん」。歌詞にも登場するこのフレーズは、歌詞中の僕から君へ送られる言葉でもあります。この少しのチャラけが、二人の距離の近さを表している気がします。

 

君と過ごした日々は やや短いかもしれないが

どんなに美しい宝より 貴いと言える

 

あれもこれも 二人で 見ようって思ってた

こんなに早く サヨナラ まだ寒いけど

ホロリ涙には含まれていないもの

せめて声にして投げるよ ありがとさん

 

ずっと続くと思っていた二人の日々は、突然の別れによって打ち切られ、既に過去のものとなってしまっています。「やや短い」という表現が個人的に好きなポイントの一つですね。「ちょっと」とか「少し」よりも語感的に柔らかい印象です。曲の冒頭にある歌詞ということで、初めて聞いた時に印象に残った歌詞でもありました。

 

「ホロリ涙」というのも印象深いワードの一つです。僕の中にはきっと様々な思いや伝えたいことが渦巻いていて、でもそれを表せるようないい方法や言葉も見つからない。そんな中で出てきたのが、ちょっとだけ気取った「ありがとさん」という言葉だったんだと思います。この言葉の裏には一体どんな思いが隠れてるんでしょうか?

 

というように、この曲は君との別れを歌った曲となっています。最初に聞いた時は、「死んでしまった君への思いを込めた歌なんだなあ」と思っていましたが、アルバムを買って歌詞カードを見ていた時に「あ、多分違う」と気付きました。ここの歌詞を見てください。

 

いつか常識的な形を失ったら

そん時は化けてでも届けよう ありがとさん

 

そう、化けて出るのは君ではなく、この歌詞を綴っている「僕」の方。つまり、死んでしまったのは僕。この曲は死者の目線から紡がれた曲なのでした。多分ね。

 

死んでしまった……というよりは、今まさに最期の時を迎えようとしている瞬間の、僕の心情を切り取った曲なのかもしれません。徐々に時間が迫る中、全てを込めて「ありがとさん」という言葉を最期に選んだ……なんとも安っぽいドラマみたいな想像ですが、歌詞を読めば読むほど、感動的な曲だなあと思いました。

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