【読書感想】じゃあ、真相はいずこ? 麻耶雄嵩 / 化石少女

どうも、新人営業ぬまじり(2年目)です。冷房フル稼働の下、ダラダラと読書に勤しんでいきます。今回読んだのは徳間文庫から出ている麻耶雄嵩さんの「化石少女」です。

 

 

麻耶雄嵩さんはミステリの中でも少し一風変わった作品を書かれる作者ですね。なんというか、ミステリ作品というものに対しての疑問や問題を投げかけるような作風です。最近だと、作者の「貴族探偵」がドラマ化しておりました。あの探偵も、「事件は使用人に全任せで自らは推理をしない探偵」でした。

 

舞台は由緒正しきお家柄の少年少女が集まる私立高校。その中にある古生物部という零細部活の部長、神舞まりあと、その後輩兼幼馴染県世話役の桑島彰が主要人物。設定だけ見ればお手本のような学園ミステリです。作者の作品群の中でも、大分とっつきやすい部類に入るのではないでしょうか。ところがどっこい。麻耶さんの作品なので、やっぱり普通のミステリとは一味違う。

 

探偵役はまりあ。助手役としては彰という位置づけになります。まりあも由緒正しきお家のお嬢様なのですが、その実筋金入りの化石オタクで空気が読めず、赤点コレクターと揶揄される程の劣等生。校内一の変人として、学校中でその名を知られる存在です。

 

全6篇の短い事件で構成されるこの本は、そんなまりあが繰り出す推理を助手役の彰が糞味噌に扱き下ろして終わる……という流れで進みます。まりあに対する晶が結構口悪目なので、キレッキレの毒舌が心地よくもあり。

 

化石バカが過ぎていつも赤点取っている人の推理なんて誰が信じるんです? 推理なんてのは賢い人がするものなんです

 

こんな感じ。

 

構造だけ見れば、これもドラマ化された「謎解きはディナーのあとで」に似ているように思えますが、それとこの作品の決定的な違いは、推理を糞味噌に扱き下ろして終わる、という点にあります。真相が明らかにされないのです。

 

事件に対する一応の回答は、まりあの推理のみ(しかもこれは最初に犯人を決めて、そこから考える……というとんでもない方法によって導き出されています)。それが否定されるのはいいとして、じゃあ実際のところどうなのよ! という疑問を抱える読者を置き去りに、話は次の章へと進んでいく……といった流れが繰り返されます。

 

放り出された謎への疑問と、物語構造そのものへの違和感を感じつつも、小気味よいまりあと彰のやり取りに巻き込まれるようにして最後までページをめくりました。ミステリ作品なので、結末のネタバレは避けますが、「僕が読みながら立てた予想が、一部だけ当たったな」という印象です。

 

あとは、なんだかんだでまりあが可愛いですね。突拍子もなく、ともすれば傍若無人感もありますが、彰への信頼と愛情が随所に現れているのが良い。ラストの「ほんと?」と「ずっと?」は可愛かったです。

 

以上、JKキャラを観て粘ついた笑みを浮かべるおじさんの感想でした。

 

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