生まれて初めて服を買いに行こうと思ったが……。 ~悲しきダサ男のとある1日~

ウィザップ新人営業ぬまじりの、いきなり☆告白コーナー! 告白と言っても、愛を叫ぶ系のヤツじゃないぞ! 自分の秘密をさらけ出していくアレだ! 人との距離を縮めるには、なんといってもまず自分をさらけ出すこと! レッツ自己開示! 耳の穴かっぽじって聞いてね!

 

と、いう訳で、告白します。僕は……。

 

23年間生きてきて、服を買ったことがありません!

 

はい、告白しました。あースッキリ。自己開示も完璧。これで僕と貴方の心の距離はゼロ。臨界点突破だぜ。

 

これは自信を持って宣言できますが、僕はファッションに興味が全くありません。服とか靴とか鞄とか、これが欲しいあれが欲しいとすら思ったことがありません。

 

しかし、21世紀を生きる僕らは、服を着ていなければ社会の中で生きていくことはできません。なので、最低限のものは必要になってきます。ところが服を買わない僕。そんな僕の服は、基本的に親からの配給という形で定期的に補充されていました。

 

穴が空いたら補充され、あまりに劣化が進んだら補充され……といった形で、必要最低限の枚数は揃えてもらっていました。

 

ところが今現在。僕は親元を離れ一人暮らしの真っ最中。実家を離れるということは、それすなわち衣服の配給システムから抜け出るということ。自分で自分の服を用意せねばならなくなってしまいました。しかし、これも己の選んだ道。ならば、立ち向かってみせようホトトギス。

 

僕の洗濯の仕方が悪いのか知りませんが、一人暮らしを始めて以降、急激に衣服の劣化が進んだ気がします。既にTシャツ2枚、ジーパン靴下パンティーがそれぞれ一枚ずつ、僕の服軍から引退してしまいました。

 

さて困りました。服がないのです。ズボンに至ってはたったのジーパン2枚しかありません。しかも片方は長年はき続けたことで、ケツの部分の生地がペラッペラになっています。セクシーすぎるダメージジーンズと化すのも時間の問題でしょう。時は一刻を争います。

 

というわけでついに僕は、生まれて初めて服を買うための外出をしました。

 

独立型店舗は何となくハードルが高かったので、ここは店の境界に壁のない、ショッピングセンターの服屋に足を運ぶことに。店員の目を掻い潜り、店舗エリアへと潜入。気分はソリッド・スネークです。まずは層の薄いズボン軍から品定め……。

 

高くね?

 

ウッソだろオイこれ桁間違えてんだろ……。ラーメン10杯食えるぞ……。僕が始めて触れる世界に戸惑っていると。

 

「何かお探しですか~?」

 

しまった、見つかった! 桁数の暴力に呆然としていた僕は、背後から近付いてくる、イケメンの店員さんに気がつきませんでした。

 

工藤新一ばりに油断をつかれた僕は、テンパりにテンパり、舌がもつれて「見てるだけですから!」というあの魔法の呪文を唱えることもできず。

 

親切な店員さんは、こんな僕にも丁寧に製品の説明をしてくれます。が、悲しいかな僕はお兄さんの言っていることが半分以上理解できません。

 

は、はあ。あ、そっすね。いいかもっすね。いや~ちょっと分かんないっすね~とその場しのぎの返答をしつつ僕は、「ラーメン食って帰る」と、固くその胸に誓いを立てるのでした。~fin~

 

 

 

 

 

 

 

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