クリムトの絵の奥深さがそのままに!ハッピーシュガーの「The Kiss」

どうも!

音楽と芸術を愛するがーすーです。

 

今日のブログは先日のバレンタインに購入した、村上市にあるお菓子屋さん「ハッピーシュガー」のひとつのお菓子のおはなし。

バレンタインチョコはハッピーシュガーで

 

私は自分へのご褒美に「The Kiss」というお菓子を買いました。

オーナーのウチコさんが、特別な想いをこめて作った2018年バレンタインのお菓子。

グスタフ・クリムトの描いた「接吻」という絵にインスピレーションを得て作ったそうです。

この投稿を見つけたとき、わたしはとてもびっくりしました!すごく欲しくなりました!!

実は私もクリムトが大好きなんです。

クリムトは20世紀初頭にウィーンで活躍した、分離派を代表する画家。

もともと私がいちばん興味があったのはアルフォンス・ミュシャという画家だったんだけど、彼と生きた時代が近いこともあって、その平面や金の地色の使い方に、ミュシャのときと同様に心を奪われたのでした。

 

(画像引用:Wikipedia

大胆な構図。でも人物の描写に至ってはとても精緻で、思わずドキッとさせられる。

バランス感覚が何ともいえないの。

 

さてその名作「接吻」をイメージしたウチコさんの「The Kiss」。

最初はもったいなくて、いつ食べようかと悩んでいました。

お休みの日にゆっくり食べようかと思ったけど、結局バレンタインの翌日には我慢できなくて食べてしまいました(笑)

 

表面をチョコが覆っていて、上の面にはなんと金箔がついてます。

この渦巻き模様は、クリムトがよく描いていた波紋様を模したものみたい。

モデルになった「接吻」にもこの模様が使われています。

 

こんなに手の込んだ模様を、ウチコさんは一つ一つ描くなんて…。

すごくもったいないけど、やっぱり我慢できないので、かぶりついちゃいます。

 

しっとりとしたチョコレート風味の生地の中から出てきたのはパイ生地。

全部しっとりだと重い感じがするんだけど、パイ生地がまた違った食感や味をもたらしてくれるの。

 

生地の中には刻んだナッツやフルーツが入っていました。

なんだかこの小粒のものが、崖の上にキラキラと咲いている小花を思わせてくれる。

 

The kissはお菓子だからもちろん甘くて美味しかったのだけれど、少しほろ苦い感じがしたんです。

甘ったるいだけじゃなかった。

それはまるでクリムトが描いた「接吻」のような寂しさを含んでいた。

 

クリムトの「接吻」って、熱々のカップルが描かれているんだけれど、2人のすぐ横には野原が描かれていません。途切れているの。崖になってるの。

そしてここに描かれている男性は、クリムト自身を投影したもの。つまり自分たちの恋愛の行く末を憂いているような、少し退廃的で悲しい雰囲気の絵なんです。

 

男性と女性、矩形と丸、静けさと激しさ、冷たさと温かさ、死と生…。様々な対照的な二つのモチーフを内在しているこの絵。

ウチコさんはきっと一つの素材では語れなかったんだと思う。しっとり感とザクザク感、甘さと苦さ…。正反対の感覚が、口の中でひとつに溶け合う感じ。あの絵のアダムとイヴみたいに。

 

たったひとつのお菓子で、大好きな絵のことを、じっくり考えさせられた。

クリムトが伝えたかったこと。そしてウチコさんがどんな風にこの絵を眺めていたのかを。

 

文化や芸術に触れることの一番のメリットって、「共感」にあると思う。

その媒体から伝わってくる「何か特別なもの」を誰かと享受すること。それはある意味でコミュニケーション。

文字記号や音声などの「言葉」を使うことだけがコミュニケーションじゃない。

それ介さなくても、想いは乗せられる、伝えられるはず。

そして、お菓子という商品をもちいて、そうした思いの発信をした、ウチコさんの手法に、私はとても感動してしまった。

クリムトに感じた愛の奥深さを、ここまで表現できるなんて、ウチコさんってなんて表現者なんだろう。

 

 

私にとってはまったく新しいひとつの美術体験をした感覚でした。例えるなら、とても斬新な美術書をよんだ感覚。著者と絵の読み解き方を分かち合えたときの嬉しさに、どこか似ている気がした。

 

ウチコさん、おいしいお菓子をありがとうございました!ハッピーシュガーの世界観がまた好きになりました。

また食べたいな。

 

それではまた明日。

アデュー、アデュー、リメンバーミー。

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